【誰でも簡単!】黄体機能不全の原因と改善法|妊娠しやすい体作りに役立つ漢方薬と生活習慣

はじめに

黄体機能不全は、不妊の原因となる重要な疾患の一つです。排卵後に形成される黄体からのホルモン分泌が不十分になることで、受精卵の着床や妊娠の継続に支障をきたします。この症状は、ホルモンバランスの乱れやストレス、生活習慣など様々な要因によって引き起こされます。適切な対策を行うことで改善が期待できるケースも多いため、本記事では黄体機能不全の原因とその対策、特に漢方薬や生薬を使った改善方法について詳しく解説します。 

黄体機能不全とは

黄体機能不全は、排卵後に形成される黄体からのプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が不十分な状態を指します。プロゲステロンは、子宮内膜を厚くして受精卵の着床を助け、妊娠を維持するために重要なホルモンです。このホルモンが不足すると、以下のような問題が生じます。 
・子宮内膜の発育不全:受精卵が着床しにくくなる
・着床後の流産リスク増加:妊娠を維持できなくなる
・生理前症候群(PMS)の悪化:イライラ、頭痛、むくみなどの症状が強くなる
・高温期の短縮:基礎体温グラフで高温期が短い(10日未満) 


黄体機能不全の原因

○ホルモンバランスの乱れ 
黄体機能不全の主な原因は、ホルモンバランスの乱れです。特に以下のホルモンが関係しています。

  • LH(黄体形成ホルモン):黄体の形成と維持に必要。分泌不足で黄体機能が低下 
  • プロゲステロン(黄体ホルモン):黄体から分泌され、子宮内膜を整える
  • エストロゲン(卵胞ホルモン):プロゲステロンとのバランスが重要 

○卵巣機能の低下 

  • 加齢による卵巣予備能の低下
  • 排卵障害に伴う黄体形成不全
  • 卵胞発育不全による質の良くない黄体形成 

○ストレスと自律神経の乱れ

  • 強いストレスは視床下部-下垂体-卵巣軸に影響し、ホルモン分泌を妨げる
  • 自律神経の乱れにより、黄体からのホルモン分泌が低下 

○栄養不足と生活習慣

  • ビタミンEやビタミンB6の不足:プロゲステロン産生に必要な栄養素の欠乏
  • 亜鉛やマグネシウムの不足:ホルモン合成に関わるミネラルの欠乏
  • 不規則な生活:睡眠不足や不規則な食事がホルモンバランスを乱す 

○甲状腺機能異常

  •  甲状腺ホルモンの異常は生殖ホルモンのバランスに影響
  • 特に甲状腺機能低下症では黄体機能不全が起こりやすい

○子宮内膜症や子宮筋腫

  • 子宮内の炎症や血流障害が黄体ホルモンの作用を妨げる
  • 子宮内膜の受容体異常により、プロゲステロンが十分に作用しない 

漢方薬・生薬による対策
黄体機能不全の原因に合わせて、適切な漢方薬を選ぶことで改善が期待できます。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 

黄体機能不全への作用

  • 血流を改善し、卵巣・黄体機能を向上させる
  • 冷え性を改善し、ホルモン分泌を正常化する
  • 子宮内膜の発育を促進し、着床環境を整える 

作用メカニズム
当帰芍薬散は、「血虚(けっきょ)+水滞(すいたい)」のタイプに使われます。

  • 当帰(とうき):血を補い、子宮・卵巣の血流を改善
  • 芍薬(しゃくやく):筋肉の緊張をほぐし、血流をスムーズにする
  • 川芎(せんきゅう):血行を促進し、瘀血(おけつ)を改善
  • 茯苓(ぶくりょう)・白朮(びゃくじゅつ)・沢瀉(たくしゃ):体の余分な水分を排出 

血流を良くすることで、黄体の働きを活性化し、プロゲステロン分泌を促進 
冷え性や貧血傾向のある方に特に効果的

温経湯(うんけいとう) 

黄体機能不全への作用

  • 子宮と卵巣を温め、血流を改善する
  • 黄体ホルモン分泌を促進し、高温期を安定させる
  • 子宮内膜の発育を促し、着床環境を整える 

作用メカニズム
温経湯は、「瘀血(おけつ)=血流悪化+寒証(かんしょう)」という血の巡りが悪く、冷えが強い状態を改善する漢方です。

  •  呉茱萸(ごしゅゆ)・桂皮(けいひ):体を温め、血行を促進
  • 当帰(とうき)・川芎(せんきゅう):血流を改善し、瘀血を取り除く
  • 阿膠(あきょう):血を補い、子宮内膜を厚くする
  • 麦門冬(ばくもんどう)・人参(にんじん):体力を補う

冷えが強く、生理痛や生理不順を伴う黄体機能不全に効果的
子宮内膜が薄い方にも適している

八味地黄丸(はちみじおうがん) 

黄体機能不全への作用

  • 腎の機能を高め、生殖機能を向上させる
  • ホルモンバランスを整え、黄体機能を安定させる
  • 加齢による卵巣機能低下を改善する 

作用メカニズム
八味地黄丸は、「腎陰虚(じんいんきょ)」という五臓の「腎」の機能低下を改善する漢方です。
この五臓の腎は、腎臓のほか、様々なホルモンを分泌する副腎との関係が深いです。そのため、ホルモンバランスを整えるため、「腎」の機能を改善することは重要です。

  • 地黄(じおう)・山茱萸(さんしゅゆ)・山薬(さんやく):腎の機能を高め、生殖能力を向上
  • 茯苓(ぶくりょう)・沢瀉(たくしゃ):水分代謝を整える
  • 牡丹皮(ぼたんぴ):血行を改善し、炎症を抑える
  • 桂皮(けいひ)・附子(ぶし):体を温め、代謝を活性化 

加齢による黄体機能不全に効果的
冷えや疲れやすさを伴う場合に適している

人参養栄湯(にんじんようえいとう) 

黄体機能不全への作用

  • 全身の気血を補い、体力を回復させる
  • 卵巣機能を高め、ホルモン分泌を促進する
  • 免疫機能を調整し、自己免疫による黄体機能障害を改善

作用メカニズム
人参養栄湯は、「気血両虚(きけつりょうきょ)」という気と血の両方が不足した状態を改善する漢方です。 つまり、体のエネルギー不足と貧血傾向の両方を持っている方に合います。

  • 人参(にんじん)・黄耆(おうぎ):気を補い、体力を回復
  • 当帰(とうき)・地黄(じおう):血を補い、ホルモンバランスを整える
  • 桂皮(けいひ)・遠志(おんじ):気の巡りを良くし、精神を安定させる
  • 陳皮(ちんぴ)・五味子(ごみし):内臓機能を高める 

体力低下や疲労感を伴う黄体機能不全に効果的 
免疫異常が関与する不育症にも有効な場合がある 

鹿茸(ろくじょう) 
黄体機能不全への作用
・卵巣機能を活性化し、ホルモン分泌を促進する
・子宮内膜の血流を改善し、着床環境を整える
・腎の精を補い、生殖能力を高める

作用メカニズム
鹿茸は、雄鹿の若い角(袋角)を乾燥させた生薬で、「補腎壮陽(ほじんそうよう)」作用があります。
八味地黄丸以上に、五臓の腎を補う効果がある
・豊富なアミノ酸、ミネラル、成長因子を含む
・エストロゲン様作用とプロゲステロン産生促進効果
・血流改善作用により子宮・卵巣の機能を高める
加齢による卵巣機能低下や冷えが強い方に特に効果的 

長期服用による効果が期待できる 

トナカイの角(馴鹿/くんろく) 

黄体機能不全への作用 ・黄体ホルモン分泌を促進し、高温期を安定させる

  • 子宮内膜の厚みを増し、着床環境を改善する
  • 免疫調整作用により、着床障害を改善する 

作用メカニズム
トナカイの角は、鹿茸と同様の効果を持ちますが、特に以下の特徴があります。

  • 鹿茸よりもミネラル含有量が多い
  • プロスタグランジン産生を調整し、子宮内膜の状態を整える
  • 抗酸化作用により卵巣・黄体の機能を保護する

特に黄体ホルモンの材料となるため、黄体ホルモンの分泌低下に有効


黄体機能不全改善のための生活習慣のポイント

黄体機能不全を改善するためには、漢方薬や生薬を活用するだけでなく、日常生活の見直しも重要です。ホルモンバランスを整え、黄体機能を正常に保つために、以下のポイントを意識しましょう。

質の良い睡眠を確保する

 なぜ睡眠が重要なのか? 

睡眠中にはメラトニンが分泌され、これがホルモンバランスの調整に関わっています。特に22時〜2時の間の睡眠は、生殖ホルモンの分泌に重要です。 

 良質な睡眠のためのポイント 

  • 同じ時間に就寝・起床する習慣をつける
  • 寝る1時間前にはスマホやパソコンの使用を控える
  • 寝室は暗く、静かで快適な温度(18〜23)に保つ
  • 就寝前にリラックスする時間を作る(読書、ストレッチなど) 

黄体機能をサポートする栄養素を摂る

 プロゲステロン産生をサポートする栄養素と食材 

  • ビタミンE(黄体ホルモン産生を助ける) → アーモンド、ひまわり油、かぼちゃ、アボカド
  • ビタミンB6(ホルモンバランスを整える) → マグロ、鶏肉、バナナ、じゃがいも、ピスタチオ
  • 亜鉛(ホルモン合成に必要) → 牡蠣、牛肉、ごま、かぼちゃの種
  • マグネシウム(プロゲステロン活性を高める) → ナッツ類、緑黄色野菜、玄米、豆類
  • オメガ3脂肪酸(炎症を抑え、ホルモンバランスを整える) → 青魚(サバ・イワシ)、亜麻仁油、クルミ 


避けるべき食べ物 

加工食品(添加物が多く、ホルモンバランスを乱す)
カフェイン(過剰摂取は黄体機能に悪影響)
アルコール(肝臓の負担となり、ホルモン代謝を妨げる)
砂糖の多い食品(血糖値の急上昇がホルモンバランスを乱す)


適度な運動を取り入れる

 運動が黄体機能に与える影響 適度な運動は血流を改善し、ストレスを軽減することで黄体機能をサポートします。ただし、過度な運動はストレスホルモンを増加させ、逆効果になることがあります。


おすすめの運動

  • ウォーキング(1日30分程度)
  • ヨガ(特に骨盤周りをほぐすポーズ)
  • ピラティス(コアの筋肉を強化し、骨盤内の血流を改善)
  • 軽い有酸素運動(自転車、水泳など) 

運動で気をつけること

過度な高強度トレーニングは避ける
極端な体重減少につながる運動は控える
生理前は特に無理をしない

ストレス管理を徹底する

 ストレスが黄体機能に与える影響 ストレスはコルチゾールというホルモンの分泌を増やし、プロゲステロンの産生を妨げます。また、視床下部-下垂体-卵巣軸の機能を低下させ、黄体機能不全の原因となります。


ストレスを軽減する方法 

  • 瞑想・呼吸法(1日10分でも効果あり)
  • アロマテラピー(ラベンダー、クラリセージなどがホルモンバランスに良い)
  • 趣味の時間を確保する
  • 自然の中で過ごす時間を作る
  • 必要に応じてカウンセリングを受ける 

体を温め、血流を改善する

 冷えが黄体機能に与える影響 体が冷えると血流が悪くなり、卵巣や子宮への血液供給が減少します。その結果、黄体からのホルモン分泌が低下し、子宮内膜の発育も妨げられます。


体を温めるポイント

  • 半身浴や足湯を習慣にする(38〜40のぬるめのお湯に20分程度) 腹巻きや靴下を活用し、特に下半身を冷やさない
  • 温かい飲み物(生姜湯、ハーブティーなど)を飲む
  • 冷たい飲食物を控える
  • 体を温める食材(蒸し生姜、シナモン、黒糖など)を取り入れる 

黄体機能不全に関する関連商品はこちら

運龍堂の龍仙亀鹿参

まとめ

黄体機能不全は、ホルモンバランスの乱れやストレス、生活習慣などが原因となって引き起こされます。 

  • 漢方薬を活用してホルモンバランスを整える

  • 生活習慣を見直し、質の良い睡眠と栄養バランスの取れた食事を心がける

  • ストレス管理と体を温めることを意識する

  • 必要に応じて専門医に相談し、適切な治療を受ける

 
黄体機能不全は適切な対策で改善できることが多い症状です。漢方と生活習慣の見直しを組み合わせて、自然な改善を目指しましょう!